
インプラント・コラム
顎の違和感、痛みはありませんか?
顎関節症(がくかんせつしょう)は、顎の関節や筋肉にトラブルが起こる病気の総称です。
症状の原因によって、一般的に1型~4型に分類されます。
複数が同時に発症するケースも多く、早めの相談が大切です。
◆ 1型:咀嚼筋障害(筋肉性)
● 主な症状
顎の筋肉(こめかみ・頬・エラ周辺)が痛む
朝方の筋肉痛(歯ぎしり・食いしばりの影響)
噛むと疲れやすい、だるい
口を開けると筋肉が張る
● 病態
噛む筋肉に過度の緊張や炎症が生じた状態。
寝ている間の食いしばり・ストレス・姿勢の悪さが原因になることが多いです。
● 主な治療
鎮痛薬・筋弛緩薬による薬物療法
生活改善(姿勢・睡眠・食いしばりに注意)
マウスピース治療(ナイトガード)
筋肉の緊張を和らげる理学療法(温熱・ストレッチ・マッサージ)
低侵襲のソフトレーザー治療
◆ 2型:関節包・靭帯の障害(外傷性)
● 主な症状
関節の鋭い痛み
噛むとズキッとする
外れそうな感覚
口の開閉で痛みが悪化
● 病態
関節を支える靭帯や関節包に炎症・損傷が起きた状態。
無理に大きく口を開けた、硬い食べ物を噛んだ、打撲などが原因。
● 主な治療
急性期は安静と冷却
鎮痛薬・抗炎症薬
マウスピースで関節への負担軽減
炎症消失後に開口訓練
◆ 3型:顎関節円板障害(ディスク障害)
● ●分類:
3a:復位性(口を開けると“カクッ”や“カクン”と音がして戻る)
3b:非復位性(“カクッ”と音が消え、口が大きく開かなくなる)
● 主な症状
口を開けると関節に音がする
途中で引っかかる
口が指2本分しか開かないこともある
● 病態
関節内のクッション(関節円板)が前方にずれ、噛み合わせの動きに障害が起こる状態。
● 主な治療
マウスピース治療で関節位置の改善
開口訓練、ストレッチ
炎症が強い場合は薬物療法
重症例:関節腔洗浄(関節内を洗い滑りを改善)
◆ 4型:変形性顎関節症(関節の変性)
● 主な症状
ゴリゴリ・ジャリジャリと鳴る
顎の変形、左右差
慢性的な痛み
噛み合わせの変化
● 病態
関節の軟骨がすり減り、骨が変形した状態。
放置された顎関節症の最終段階として起こる場合があります。
● 主な治療
痛みのコントロール(薬物療法・レーザー)
再発防止のマウスピース
開口訓練・リハビリ
重度の場合:外科的治療
まとめ
| 型 | 原因 | 主な症状 | 治療 |
|---|---|---|---|
| 1型 | 筋肉 | 筋肉痛・頭痛 | マウスピース・理学療法 |
| 2型 | 靭帯 | 鋭い痛み | 安静・薬・マウスピース |
| 3型 | 円板 | カクッ音、開口障害 | 開口訓練・関節洗浄 |
| 4型 | 関節変形 | ゴリゴリ音 | 痛み管理・リハビリ・手術 |
当院での主な治療法
鎮痛剤・抗炎症剤・筋弛緩薬の投薬
マウスピース治療(ナイトガード)
ソフトレーザーによる筋緊張の緩和(低侵襲)
開口訓練・ストレッチ指導







