インプラント・コラム

歯根端切除術って何?根管治療が効かないときの選択肢

虫歯が神経にまで達した場合、通常は「根管治療」で歯の中を消毒し、菌を取り除くことで歯を残すことができます。しかし、根管治療をしても痛みや腫れが引かない、あるいは治療後しばらくして再発するケースもあります。
そんなときに選択肢となるのが「歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)」という外科的な処置です。

根の先に膿がたまる「根尖病変」

歯の根の先端に膿がたまる状態を「根尖病変」と呼びます。これは、根管内に取り切れなかった細菌が残っていたり、根の先に微細な亀裂があることによって引き起こされます。
一見、表面からは何も問題がないように見えても、レントゲンやCTで確認すると黒い影が写り、骨が溶けていることがあります。

歯根端切除術の流れ

歯根端切除術は、主に前歯や小臼歯など、アクセスしやすい歯に適用されることが多い処置です。具体的な流れは以下のとおりです:

  1. 局所麻酔をして、痛みのない状態にします。

  2. 歯ぐきを小さく切開して、歯の根の先端と膿の袋を直接取り除きます。

  3. 根の先を約3mmほどカットし、必要に応じてその断端を封鎖(逆根管充填)します。

  4. 切開部を縫合し、経過を見ます。

手術自体は30分程度で終わり、日帰りで受けることができます。

なぜこの治療が必要なの?

「もう神経は取ったのになぜ再発するの?」と思う方も多いでしょう。実は、根管の内部は非常に複雑で、細かい枝分かれや湾曲があるため、器具が届きにくい部分に菌が残ってしまうことがあります。
そうしたとき、口の中から器具を使って根管を再度きれいにする「再根管治療」でも治らない場合には、外から直接アプローチする歯根端切除術が有効となります。

実際の症例紹介(簡易版)

30代女性、前歯の違和感が続き、以前に神経を取った歯の根に影があることが判明。再根管治療を試みるも改善せず、歯根端切除術を実施。術後の腫れも少なく、3ヶ月後には骨の再生も確認され、違和感も消失。現在は定期的な経過観察中です。

歯を守る最後の一手として

歯根端切除術は、すべての症例に適応されるわけではありませんが、「抜歯せずに歯を残したい」という患者さんにとって、大切な選択肢の一つです。
当院ではCT診断を活用し、適応の判断と精密な手術に対応しています。歯ぐきが腫れやすい、治療しても治らないという方は、ぜひ一度ご相談ください。

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