口のできもの・けが
口の中のできものとして最も多いのは口内炎ではないでしょうか。
口内炎は1週間程度で自然治癒するものがほとんどですが、それまでの不快感は非常に大きいものです。
口のできもの
口内炎とは
口内炎の原因はウイルス性、口の中の肉を噛んだり歯や義歯の一部が当たったりしてついた傷に細菌が入り込んだもの、アフタ性口内炎(直径数ミリ程度の浅い潰瘍ができる)などの原因不明なものなど様々です。
他の全身疾患症状の1つであるケースもありますので、気になる場合は専門家に相談しましょう。
口内炎の原因
1.口の中に傷ができた
頬の内側や舌を噛んだ、歯の尖った部分が口内の肉に当たった、歯ブラシで強く口内をこすったなどが原因で傷ができ、そこから細菌が入り込むと口内炎ができます。
2.唾液不足
唾液が少なくなると体内に細菌が入り込みやすくなり、その結果、口内の粘膜が炎症を起こして口内炎になります。唾液が少なくなる原因には、ストレスや加齢、女性ホルモンの低下などがあります。
3.免疫力の低下
ストレスや疲れ、睡眠不足、病気などで免疫力が低下すると感染症が起こりやすく、口内炎もできやすい傾向があります。
4.ビタミン不足
粘膜や皮膚を保護する働きのあるビタミンB2、ビタミンB6の不足は口内炎の原因となります。
口内炎の治療
レーザー治療
口内炎の表面に歯科用レーザーを照射する治療法で、痛みがかなり軽減されます。
レーザーを当てている間は少しピリピリする程度で痛みはほぼありません。
またレーザーには治癒を早める効果もあります。
薬の塗布
抗炎症作用のある軟膏を患部に塗り、患部の炎症を抑えながら表面を保護します。
口のけが
外部からの衝撃によって歯が折れたり、口の中に怪我をしたりすることがあります。
一般的な怪我と異なり、歯や口の中の怪我は治療法が様々です。
外傷による歯の欠け・折れと治療法
歯冠破折(しかんはせつ)
状態 | 歯の見えている部分が割れたり欠けたりしている。 |
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対応 | 割れたり欠けたりした歯の破片があれば、その破片を持ってすぐに歯科医院へ行きましょう。 破片は元の歯につけられる場合があります。 |
治療法 | 治療法は残った歯の状況によって異なりますが、歯が欠けてしまった場合は欠けた部分をくっつけられるかもしれないので、大切に当院までお持ちください。 コンポジットレジンやセラミッククラウンなどを用いて欠けた部分を補うこともできます。 |
歯根破折(しこんはせつ)
状態 | 外からは見えない、歯茎の中の歯根が割れたり欠けたりしている。 |
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対応 | 見た目では判断しにくいですが、うずくような痛みがあったり、指で触るとぐらぐらしたりする場合があります。 外傷として見えないので、すぐに歯科医院に行くようにしてください。 |
治療法 | 破損がひどい場合は割れてしまった部分を抜歯し、骨が溶けないよう処置をしてからインプラントやブリッジなどの治療法が考えられます。 状態が良い場合は抜歯せず修復する、あるいは破損した歯をいったん抜歯し、外で割れた部分を接着してから戻す「再植法」を行うケースもあります。 |
歯牙脱臼(しがだっきゅう)
状態 | 転んだり人や物にぶつかったりした衝撃で、歯がぐらぐらして抜けてしまった。 |
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対応 | 抜けてしまった歯の頭の部分を持ち歯根部を水でさっと(30秒以内)洗います。 歯をこすり洗いしたり、歯の周囲の組織を取り除いたりするのは避けてください。 元の歯の位置に戻せる状態であれば戻し、戻せないようなら生理食塩水や牛乳に入れる、または歯と頬の間に入れて至急、歯科医にご相談ください。 |
治療法 | レントゲンで歯の割れや骨折がないか確認した後、歯を元の位置に戻し(再植)、接着剤で両隣にある歯とくっつけて固定します。 |
歯牙陥入(しがかんにゅう)
状態 | 転倒など外部からの衝撃によって歯を強く打ち、歯が歯茎に陥入している。 |
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対応 | 歯肉部の切り傷、また切り口からの出血を清潔なガーゼなどで押さえて保護または止血してください。 その後、できる限り早く歯科医院を受診しましょう。 |
治療法 | 歯を正しい位置に戻した後、6週間ほど安静を保ちます。 その後、根管治療(痛んだ歯髄を除去して根管を入念に消毒し、将来的な感染を防ぐため根管に詰め物をする)を行う場合もあります。 |