―突然の“開口障害”にどう対応する?―
「朝起きたら口が開かない」
「食事中に顎が引っかかったようになって動かない」
そんな経験はありませんか?これは急性顎関節症や**顎関節のロック(顎関節円板の急性転位)**の可能性があります。突然起こることも多く、特に初めての方は不安になりますが、落ち着いて対応することが大切です。
なぜ口が開かなくなるの?
顎関節は、耳の前にある関節とその間にある“関節円板”という軟骨で構成されています。
何らかのきっかけでこの円板がずれたり、関節や周囲の筋肉が炎症を起こすと、顎がスムーズに動かなくなります。
急性の場合、次のような原因が多いです。
大きなあくびや硬い食べ物で関節に負担がかかった
長時間の歯ぎしりや食いしばり
ストレスや姿勢の悪さによる筋肉の緊張
自宅でできる応急処置
1. 顎を無理に動かさない
「試しに開けてみよう」と無理に動かすと、炎症や損傷を悪化させます。
2. 冷やす(発症から48時間以内)
患部にタオルで包んだ保冷剤を10分程度あて、腫れや痛みを抑えます。
3. やわらかい食事にする
おかゆやうどん、スープなど噛む力がいらない食事に切り替えます。
4. 痛み止めの服用
市販の鎮痛薬(例:イブプロフェン)を使用してもOKですが、服薬歴や持病によっては医師に相談を。
やってはいけないこと
強くマッサージする
顎を引っ張って無理に開ける
硬い食べ物やガムを噛む
これらは症状を悪化させる可能性があります。
医院での治療
急性期は炎症を抑えるために次のような処置が行われます。
消炎鎮痛薬の処方
顎関節へのスプリント(マウスピース)装着
関節腔洗浄(必要な場合)
物理療法(温熱・低周波など)
症状が軽いうちに適切な治療を始めることで、多くは数日〜1週間で改善します。
実際の症例
30代女性、朝から口が指1本分しか開かない状態で来院。CTと問診にて急性顎関節症と診断。鎮痛薬・安静指導・スプリント治療で3日後には開口量が指2本分に回復、1週間後にはほぼ正常に改善。
まとめ
急性顎関節症は、早期対応がカギです。放置すると慢性化し、顎関節の変形や可動域制限が残ることもあります。
「そのうち治るだろう」と我慢せず、症状が出たらまずは口腔外科・顎関節症の診療ができる歯科医院にご相談ください。